投稿者:奥田
鍼灸は空間における場の医学であると考えています。
経絡治療は一二経絡の気のバランスを整えることを治療の根幹としていますが、そこに気の塊である身体と言うとらえ方を加えることで、より一層シンプルに鍼灸医学の本質に迫ることができると思います。
私たちの心身を一つの気の塊から形作られている空間と捉え、その空間の気の偏りを大きな視点で捉えてゆくことが大事です。
治療はその気の偏在を整えることです。
実地臨床では、例えば身体の右上部に気の停滞を起こしているケースがとても多いです。
右上半身に気が停滞していて実の状態になっています。
それに相対して左下半身に気の不足の虚の状態を生じているメンタル症状で実的傾向のある場合にはたいていの場合右上に気の停滞があり様々な症状を現しています。
もちろん左上に気の停滞がある場合もありますが右優位の傾向が強いです。
パニック障害、梅核気、耳閉感、耳鳴、頭痛、眼瞼痙攣などなど症状は様々ですが、その本体は気滞です。
身体の左右の気のバランスが崩れている場合には肝の証で治療できます。
もう一つは上下の気の偏りです。左右よりは上下に大きくバランスが崩れている状態です。
臨床では上実下虚あるいは上熱下寒の病態です。
これは腎の証で治療します。
身体の下部の気の不足を補い、上部の気の停滞を取るようにします。
そして左右上下の気の偏りがそれほど顕著に表れていない場合には中央の脾で治療できることが多いです。
証の決定から治療まで、この上下左右中央のとらえ方で多くの場合うまく行きます。
理論はできるだけシンプルに、そして手技はできるだけ簡便にと言うのが私の目指す鍼灸術です。
0 件のコメント:
コメントを投稿